高校卒業後、隣県の地方都市(私の地元からしたら大都会)で浪人生として暮らすことに。そこで初めて先進的な女医に出会い、ピルを処方してもらえた。それからは結構マシになった。と言っても完全に痛みがなくなったわけではない。けれども毎月決まった時期に生理がくるだけでもずいぶん違った。例えば、授業がない土日に生理を持ってくることも可能。何より、自分の体を、自分でコントロールできることが快適だった。

 

ここで注意したいのは、おじいちゃん先生だから、男の先生だからダメというわけではない。女の先生だからいいというわけでもない。 東京で住み始め、大学病院の若い女性医師に相談した際には、またもや「子どもを産んだら治ります」の一言で済まされてしまった(治りませんでした)。

まぁ、大学病院では、子宮癌や命に関わる病気を重視していて、痛いだとかそんなものは結構軽視していたんだなと思われる(実際に他の医者にそう言われた)。自分の症状にきちんと向き合ってくれる医者を探すのが大事だということですね。

 

さて、無事に快適ピルライフを10年以上に渡り謳歌していたが、医者の指示通りにピルを飲んでも、生理痛からは完全には解放されなかった。休薬期間中は相変わらず痛みで寝込む寝込む。

ピルというものは3週間飲んだら、1週間の休薬期間を置くもの。その休薬期に生理みたいなものがくる。それで結局しんどいのだ。PMSも酷い。情緒不安定になって当時の彼氏現夫にも当たり散らしがちだった。申し訳ないことをした。

 

そこで私は、ネットを探し、どうやらピルの長期服用がカギを握っているのではないかと突き止めた。けれども怪しい。本当に大丈夫だろうか。いろんなサイトに「自己責任」って書いてるし。こわい。近所の医者に相談しても止められるし、私も何だか不安だったので、その時はやめた。

 

そして産後。あれだけ数々の医者、及び親切な一般人から「出産すれば治るよ」と言われていた生理痛は、見事に治らなかった。当たり前ですよ!だって治るわけないですよ!そんなエビデンスないよ!理屈も全くわからんし!

しかも産後すぐに関わらず。出産後は生理がしばらくなくてラクって聞いてたのに…うそだと言ってよ…早すぎるよ…育児に支障きたしまくりだよ…。

 

ということもあり、私はピルの長期服用を始めた。

あれほどひどかった生理痛もPMSもまったくない、ものすごく快適である。家庭に平和が訪れた。

最初は3ヶ月のつもりだったけれど、生理がない生活があまりに快適すぎて、もうかれこれ1年半ほど続けている 。ピルの長期服用をすれば月経困難症が軽減されるという論文をみつけた。(参考:マーベロン 21連続投与による子宮内膜症治療の試み  東京大学医学部付属病院女性診療科・産科)

http://www.endometriosis.gr.jp/non-member/kaishi/kaishi31pdf/endai51.pdf

とりあえず子宮内膜症の治療もかねて2年間は続けようと思っている 。もう子どもを産む予定もないし。

最近は、「ヤーズフレックス」という長期服用が前提のピルも発売されている。そちらを安心である。私がピルを飲み始めた頃から、日本の低容量ピルを取り巻く環境も変わってきて素晴らしい。

アメリカなどでは、1年間の長期服用のピルが承認されているらしいので、今後に期待したい。

 

ちなみにこれまで「何かあれば将来、子どもを産む時に困るから」という忠告(脅し?)を散々聞かされてきて、その度にいちいち何やらおだやかじゃない気持ちになっていたが、今となっては「もう済みましたから」の一言で片付けれるのが快適だ。「若い女性は子どもを産む」という前提は医療的な観点からは重要ではあるが、ひどく息苦しかった。